子どもの力で商店街を盛り上げる
商店街ではバルーンアートや似顔絵描きなどのイベントで子どもたちを呼び込もうとする事例は大変多いと思いますが、お店自体との交流につながっていない事例も多いのではないでしょうか。やり方次第で、商店街に新たな風を吹き込んで、子どもたちとお店をつなげることができる事例をご紹介したいと思います。
ハロウィンイベントを実施する商店街は全国各地で多数ありますが、今回ご紹介するのは、アメリカで伝統的に行われているような、子どもたちが各店舗を訪問しお菓子をもらってまわるイベントです。
この風習を活用して商店街を盛り上げたのが、練馬駅近くの大門通り商店街にある英会話教室「いちょう通りランゲージ」です。
昨秋、生徒、先生が仮装し、商店街内の参加店舗を訪問し「トリック・オア・トリート!(お菓子をくれないならいたずらするよ!)」と叫んで、お菓子をもらってまわるハロウィンパレードを企画しました。この企画は商店街振興組合で承認されましたが、自前で子どもたちにあげるお菓子を準備することに対する抵抗感があるなどの理由で断るお店もありました。
しかし、いざパレードがはじまってみると、その盛り上がりを見て、あわててお菓子を用意して「うちにも来て欲しい」と言ってくれるお店もあり、大盛況のうちに終了したそうです。
商店街の方からは「昔と違って今は子どもが商店街にいないからとても良かった」という声もありました。定休日なので声をかけなかったある有名店からは「お菓子を準備してたのに…。」と声をかけてもらい、はじめてコミュニケーションをとるきっかけができ「仲良くなることができた」そうです。
教室の増田代表は「商店街の成功しているオーナーさんたちとも仲良くなれて、学ぶこともあり、とても良かった」と総括されていました。
《 森 哲郎 / 中小企業診断士 》