提供する商品やサービスの価値を考える

商品やサービスの魅力を伝えるとき、皆さんはどのような価値に注目していますか?

単に性能や品質だけではなく、顧客がその商品を手にすることで感じる“気持ち”も大きな役割を果たしています。

私は現在MacBook使ってこのコラムを書いているのですが、私がMacBookを購入した理由を思い返してみました。
高性能なプロセッサ、鮮明なディスプレイなど、優れた機能面もさることながら、MacBookを開いて仕事している人ってちょっとおしゃれでかっこいいよね、という感情的なイメージも実は大きな理由のひとつです。

みなさんが商品やサービスを通じて提供する価値は大きく「機能的価値」と「情緒的価値」に分けられます。

機能的価値」とは、商品やサービスの基本的な機能や特性、品質、性能に関連する価値です。
一方、「情緒的価値」とは、商品やサービスを使用することで感じる満足感や幸福感、安心感などの感情的な経験の価値を指しています。

現代はモノが豊富にあふれており、機能的価値だけで差別化を図るのは難しくなっています。情緒的価値をいかに訴求するかが、ブランドや商品の「ファンづくり」においてますます重要になっています。しかし、大切なことはバランスです。どんなに情緒的価値が高くても、もしMacBookが性能の悪いノートパソコンであれば私も選ばないと思います。

そこで、皆さんの商品やサービスを見直す際には、次の点を考えてみてください:

  • 機能的価値:どのような特徴や性能が強みとなっているか?
  • 情緒的価値:顧客にどのような満足感や喜びを提供できるか?
  • バランス:この二つの価値はバランスがとれて共存しているか?
  • 伝達方法:これらの価値をどのように効果的に顧客に伝えるか?

機能的価値と情緒的価値のバランスを上手に取り、それを顧客に明確に伝えることで、より多くの人々に共感される商品やサービスを生み出すことができるはずです。今一度、皆さんが提供する価値を見つめ直し、さらなる進化を目指してみませんか?

《 熊谷 友貴 / 中小企業診断士 》