中小企業におけるAI活用のヒント

 高齢化率が約30%に達する「2025年問題」や第二次ベビーブームに生まれた団塊ジュニア世代が65歳以上の高齢者になる​​「2040年問題」などに代表されるように世界の中でも特に日本は少子高齢化が進んでいます。
 2022年時点で、日本の高齢化率(65歳以上人口比率)は主要先進国の中では世界一位の29.92%(すべての国を含めるとモナコの35.92%に次ぐ世界二位)となっており、世界二位のイタリアとも5ポイント以上(イタリア:24.05%)と大きく差がひらいています。
 政府もさまざまな少子高齢化対策をすすめていますが、一朝一夕で解決するものではなく、企業、特に中小企業においては将来的な労働力確保の苦戦が予想されます。

 そのような限られた労働力しかない中小企業が、業務効率化や生産性の向上を図るためにはAIをうまく活用していくことも重要になります。しかしながらAIの活用は日本企業全体でもまだまだ進んでおらず、令和元年版情報通信白書によると大企業でも16.5%、中小企業は5.6%にとどまります。

 経済産業省は中小企業のAI活用を促進するため、「AI活用ガイドブック」を発行しており、その中で様々な業種におけるAIの活用例を紹介しています。

 AIの導入により、労働者が処理していた業務をAIが代替することで、業務効率化や生産性の向上、労働力不足の解消につながります。AIは決められた手順に従い正確に処理を進めることを得意としているため、人間のようなケアレスミスもありません。また、24時間稼働し続けられるため、業務量も増やすことが可能です。

 労働力確保や生産性向上に悩んでいる経営者の方がいらっしゃるならガイドブックを参考に自社へのAI導入を検討してみるのもいいかもしれません。ガイドブックの中で不明な点があったり、実際に導入に当たってわからないところがありましたら、お気軽にネリサポへご相談ください。

経済産業省 中小企業のAI活用促進について
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/AIutilization.html

《 佐藤三郎 / 中小企業診断士 》