社労士から見た財務の基礎知識 2

 最近は、働き方改革に関連した助成金が増え、助成金を利用する会社も増えていると感じられます。先日労働局の研修でも、助成金の積極利用を呼び掛けるようにとの説明がありました。活用できる助成金は積極的に活用したいものです。助成金を活用することで働きやすい会社になれば、生産性も上がりますます賃金アップ!メリットはやはり多いですよね。

では、助成金は売上になるのでしょうか?

 売上は本業で得た収入として計上されるもので、助成金は事業収入ではないので営業外収益か特別利益で計上することになります。賃金引上げと労働者の正規雇用など人件費が増加により営業利益は減少してしまいますが、特別利益で人件費増加分を超える利益が得られるので、同じことではないかと思う方も多いと思います。

 助成金にも税金はかかります。繰越損失が無ければ中小企業の特別減税で15%、法人住民税を考えると実効税率は25%前後でしょうか。助成金は一過性のもので、毎年継続的にもらえるものではないため、メイン銀行もあまり評価しない傾向にあります。本業が赤字であれば、特別利益があっても保険解約益と同じで返済能力としては見ないということでしょうか。

 働き方改革として、やりがいのある職場づくりと生産性の向上を目標に、企業の方々はたいへんな努力をしていることと思います。助成金を生産性の向上に役立て、本業による利益増加を図りたいものです。

 《 加治 直樹 / 特定社会保険労務士 》