「求人・求職バランスシート」とは

「求人・求職バランスシート」とは、各地域の職種別の求人数と求職者数が一覧になった資料です。「職業別有効求人・求職状況」等の名称で、各地域を管轄するハローワークごとに毎月公表されています。東京都については、ハローワークのホームページ上から同資料を閲覧することができます。

 「求人・求職バランスシート」を確認することで、自社が位置する地域における「採用したい職種」の採用難易度を大まかに捉えることができます。例えば、求職者数(仕事を探している人)に対して、求人数(事業者側)が少なければ、比較的採用しやすいということになります。反対に多ければ、採用が比較的難しいということになります。なお、「求職者1人に対して何件の求人があるか」を示す指標として有効求人倍率(※)というものがあります。「有効求人数÷有効求職者数」で算出します。有効求人倍率が1.0倍を超えると、「仕事を探している人1人に対して、1件超の仕事がある(仕事がたくさんあるので、採用しにくい)」ということ表します。

 冒頭で「求人・求職バランスシート」は各地域を管轄するハローワークごとに公表されると述べました。職種別の求人と求職の状況は地域によって差があります。これは、地域ごとに産業の特性があること等が要因だと考えられます。もしも、他地域の「求人・求職バランスシート」を確認し、当該地域の方が「採用しやすそうだ」ということであれば、当該地域に絞って採用活動を強化する等の取組みが有効になるかもしれません。自社が位置する地域だけではなく、近隣地域の「求人・求職バランスシート」も併せて確認することをお勧めします。

※「有効」とは、ハローワークが定める「有効期間内の求人・求職」であることを表す

《 森川 泰裕 / 中小企業診断士 》