RPA(Robotic Process Automation)とは~人手不足への救世主~
働き方改革法案の成立により、今後、長時間労働を是正していく必要があります。すなわち、少ない時間で同じように仕事量をこなすことが必要になるのです。残業する時間に制限があれば、企業は人を雇うことで対応しようとするかもしれません。しかし、大企業は別としても中小企業の人手不足は現状深刻です。なかなか人を採用することができなくて困っています。
では、どのように対応したらよいのでしょう?
そのような人手不足の救世主になるかもしれないものが「RPA」です。「RPA」とは、ロボットによる業務自動化の取り組みを表す言葉です。「デジタルレイバー(Digital Labor)」や「仮想知的労働者」とも言い換えられ、人間の知能をコンピューター上で再現しようとするAI(人工知能)や、AIが反復によって学ぶ「機械学習」といった技術を用いて、主に事務処理的な業務を担うバックオフィスにおけるホワイトカラー業務の代行を担います。工場で導入が進んでいる産業用ロボットのホワイトカラー版と考えればわかりやすいかもしれません。
たとえば、皆さんの会社においても、AさんがシステムⅠにアクセスし、データをダウンロードしてBさんにメールで送信する。Bさんは、そのデータをもとにEXCELで計算した値をシステムⅡに入力してCさんにEXCELファイルをメールで送信する。CさんはシステムⅢにアクセスし、システム結果と受領したEXCELファイルを検証し報告書を作成するなどを行っていることがあるでしょう。定型的な作業にも関わらず、このようにファイルを開けたり、メールを送ったりすることに作業時間がとられています。
「RPA」は、現在行っているこのような定型業務の処理手順を操作画面上から登録しておくだけで、様々はソフトウェアやアプリケーションを横断して処理の自動化を可能にします。そして、「RPA」は、365日24時間稼動することが可能ですので、人手不足への対応策と期待されています。
《 堀川 一 / 中小企業診断士 》