キャリア開発の基本

 キャリア開発の基本は、「いかだ下り・山登り・棚卸」と言われています。若いうちは上から降ってくる仕事をあれこれ選ばないで、激流に立ち向かってがむしゃらに業務に取り組みスキルを磨く。一定年齢になったら、専門分野を選び、その山頂を目指しスキルアップを行います。高齢になったら、これまでの経験やスキルの棚卸を行って、それを活かせるような仕事をおこなうという考え方です。

ただ最近は、棚卸をしても、培ってきたスキルが時代に合わなくなってきたりするなど、高齢の従業員にとって困難な時代になってきています。

これからは、高齢に備え、「山登り」といった一つの山頂を目指すだけで終わらず、「山歩き」をして、付近の山を見まわたして次の山を見定め、稜線に沿って縦走していくようなキャリア開発が求められてきています。

《 川村 要一 / 中小企業診断士 》