創業時の資金調達【日本政策金融公庫】
前回は、金融機関の種類についてご紹介しました。
創業をお考えの皆様は、資金はいくら必要か、どこから借入するか等悩んでいる方が多いのではないでしょうか。
今回は、日本政策金融公庫の事業概要をご紹介させていただきます。
【日本政策金融公庫】
- 政府系金融機関
- 小規模事業者や中小企業向け融資制度が用意されている
- 民間金融機関を補完する役割があり、他行で融資が通らなかった場合でも日本政策金融公庫で融資を受けられることもある。
- 但し、自己資金がないと融資が受けられない場合がある。
事業名 | 主な融資対象 | 融資の特徴 |
国民事業 | 個人事業主や小規模企業 | 短期の運転資金も取扱可 |
中小企業事業 | 中小企業 | 短期の運転資金は取扱不可 |
農林水産事業 | 農林漁業や国産農林水産物を取り扱う加工流通分野 | 長期事業資金を融資 |
日本政策金融公庫は、民間の金融機関が支援できない部分を補完する役割があります。
創業期は、営業実績が乏しいなどの理由により資金調達が困難な場合があります。
そこで、新規開業資金をはじめとした創業融資により、創業期の資金調達を支援しています。
特に創業期や税務申告2期を終えていない事業者には、利用しやすい融資制度が準備されています。
【創業融資】
特徴 | 概要 |
無担保・無保証人融資 | 原則として無担保・無保証人で各種融資制度を利用可。 |
利率を一律0.65%引下げ | 原則として0.65%(雇用の拡大を図る場合は0.9%)引下げ。 |
長期でご返済可能 | 設備資金は20年以内、運転資金は原則10年以内(各据置期間5年以内)で返済可能。 |
この創業融資の最大の特徴は、無担保、無保証人で利用できることです。
通常の銀行融資は、経営者の個人保証をとる場合が多く、会社の業績が悪化した場合は
経営者が会社の債務を負担することになるため、経営者の負担が重く、大きな創業リスクとなっています。そのため無担保、無保証人で利用することにより、会社の債務を負担する必要がなくなるため、会社の業績が悪化した場合でも、経営者の創業リスクはありません。
日本政策金融公庫は創業期において融資が受けやすいため、練馬区のあっせん創業融資等と組み合わせて、資金調達をおこなうのも創業期には有効です。
次回は民間の金融機関をご紹介します。
《 深町 一隆 /中小企業診断士 》