比較的借りやすい融資の形態

「借入金額が既に多い」や「なんとか黒字だが利益水準が低い」場合、追加の運転資金の借入に苦労することがあります。特に「長期運転資金」と呼ばれる自由度の高い運転資金の形態は借入れる難易度が高くなります。そのような場合、以下のような「短期の運転資金」で融資を受けられないか金融機関に相談してみることをご検討ください。

➀特定の支払に紐づける
・法人税の支払や賞与、まとまった仕入等、資金需要が発生する要因になる支払に紐づける
・借入期間は6か月や1年間。返済方法は毎月返済又は資金繰りに合わせて据置期間を設ける
※据置期間:元金の返済はせずに利息の支払いだけ行う期間

②特定の売上回収金に紐づける
・工事代金の回収や大口案件の入金に紐づける(=当該回収金で返済する)
・借入期間は6か月や1年。入金タイミングに返済スケジュールを合わせる

金融機関は融資の審査をする際、以下の2点を検討します。
・融資金の使い道に問題はないか
※赤字の補填や事業と関係のない支出に回らないか(既存借入金の返済や貸付等)。一般的に「資金使途が不適切=返ってこない可能性が高い」と考えられる
・返済されるかどうか


特定の支払や回収に紐づける融資形態であれば、この2点の問題を軽減できるため比較的借りやすくなるということです。

《 森川 泰裕 / 中小企業診断士 》