「採択される申請書の書き方のヒントは公募要領の中にある」その1

「お客様を増やしたい」、「新メニュー開発をしたい」、「あの機械があると作業がはかどるのだけれども・・。」等、小規模事業者が自社の販路開拓や生産性向上の取組みを対象とする補助金が小規模事業者持続化補助金です。

これまで、年に3~4回の公募があり、採択率はおおよそ60%台~30%台と幅があり、直近の採択率は低下傾向にあります。
小規模持続化補助金公式ホームページでは、「公募要領に記載する補助事業者の要件に合致しない」申請や、「申請書類の不備」が多くあり採択することが出来なかったケースが数多くあった」とあります。
公募要領には、審査観点のひとつとして
「必要な提出資料がすべて提出されていること」(小規模事業者持続化補助金<一般型>第16回公募 公募要領(第13 版:2024年5月8日))
と明記されています。
このように、「採択される申請書の書き方のヒントは公募要領の中にある」と言えるでしょう。

それでは、小規模事業者持続化補助金<一般型>第16回の公募要領(第13 版:2024年5月8日)をもとに確認したいと思います。
まず注目点は25ページ「審査の観点」の「Ⅰ基礎審査」、「Ⅱ計画審査」についての記述です。
「Ⅰ基礎審査」には、「次の要件を全て満たすものであること。要件を満たさない場合には、その提案は失格とします。」とあり、4つの要件が示されています。
「Ⅱ計画審査」には、「経営計画・補助事業計画について、以下の項目に基づき加点審査を行い、総合的な評価が高いものから順に採択を行います。」とあり、それぞれ具体的な評価ポイントが記載されています。
続いて、26ページ以降に「Ⅲ.加点審査」について記載されています。該当する項目は積極的に対応したいです。「重点政策加点」の②事業環境変化加点や「政策加点」の「②パワーアップ型加点」は比較的取組み易いものです。

このように、「審査の観点」に書かれていることを全て網羅することが基本となります。実際に申請書を作成するときは、公募要領にある審査基準を小見出しにして整理するのも良いと思います。

《 早川昌宏 / 中小企業診断士 》