起業動機の書き方

起業直後は、ヒト・モノ・カネの経営資源が潤沢ではありませんので、融資や第三者からの投資など資金調達を必要とすることがあります。そのような場合には事業計画書の提出が求められます。事業計画書には、起業動機、経営理念、代表者の経歴、事業内容、商品/サービス、市場環境、収支計画、資金計画などについて書きますが、本コラムでは起業動機の書き方を取り上げます。

資金調達のための事業計画書を書こうと思うと、ついつい収支計画や資金計画などの数字で表現する計画に注力しがちですが、起業動機として、自分の事業への思いや社会的な意義などを書くことにより、事業計画書の完成度が高まるだけでなく、より魅力的な内容になることが期待できます。

では起業動機をどのように書いたらよいでしょうか。例えば以下の手順を参考にしてみてください。

  1. 下書きとして、以下の項目をについて詳しく書き出す。

 ・起業に至った自分の経験

 ・起業を決意したきっかけ

 ・事業を通して実現したいこと

 ・事業を通して社会に貢献したいこと

 ・事業への自分の思い(経営理念)

2. 書いた内容を時系列にする。

3. 起承転結を意識して書き直す。

4. 事業に直接関係のない部分は取り消し線を引く、ただし削除はしない。

5. 全体の流れを確認するために声を出して読み、わかりにくい部分を書き直す。

6. 取り消し線を引いた部分を残した方が良いか削除した方が良いか判断する。(残した方が読みやすければ(分かりやすければ)残す。)

7. もう一度声に出して読み、推敲を重ねて完成させる。

まずは起業に対する思いの丈を思いっきり書いてみてください。そこから、何回か書き直することにより、余分なものが削ぎ落され、自分が本当に伝えたいことが残ります。そして、内容にストーリー性が感じられたりすると、読みやすくなり、事業計画書全体にもさらなる興味を持ってもらえるでしょう。

《 岡本 麻代 / 中小企業診断士 》