設備投資で人手不足を解消する「中小企業省力化投資補助金」の概要
中小企業省力化投資補助金は、2024年6月から始まった新しい補助金制度です。
中小企業省力化投資補助金は、IoTやロボットなどの汎用製品を導入することで、中小企業の付加価値と生産性を向上させ、賃上げにつなげることを目的としています。この補助金の特徴として、「製品カタログ」に掲載されている導入効果が高い製品を導入することで、早期に人手不足解消、業務効率化、売上増加などの課題解決が見込めます。
申請対象事業者は、日本国内で法人登記され事業を営む中小企業等で、人手不足の状態にあること(従業員の平均残業時間が30時間を超える、または前年に比べて従業員数が5%以上減少しているなど)や全従業員の賃金が最低賃金を超えていることなどの要件を満たしている必要があります。
また、労働生産性(=付加価値額 ÷ 従業員数)を3年間で年平均成長率3.0%以上向上させる事業計画を策定し、採択される必要があります。
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補助率と補助上限額
補助上限額は、申請時の従業員数によって異なります。例えば、従業員数21名以上の企業の場合、補助上限額は1,000万円です。補助対象経費の総額に補助率を乗じた額が補助上限額を超える場合は、上限額内で補助金が交付されます。
ただし、賃上げ目標を達成した場合に、補助上限額が引き上げられます。例えば、従業員数21名以上の企業の場合、補助上限額は1,000万円 ⇒ 1,500万円に引き上げられます。
補助上限額を引き上げるためには、事業場内最低賃金を45円以上増加させ、給与支給総額を6%以上増加させる計画を策定し、従業員に表明する必要があります。賃上げ目標を達成できなかった場合、補助額の減額が行われます。また、効果報告時に給与支給総額や事業場内最低賃金が実績報告時点より下回っていた場合、補助金の返還を求められる可能性がありますので注意が必要です。
補助対象となる製品
補助対象経費には、製品の「製品本体価格」と「導入に要する費用」が含まれます。ただし、補助対象外となる経費もあるため注意が必要です。
中小企業省力化投資補助金の対象製品は、25に分類されたカテゴリで、「省力化製品カタログ」に登録された事務局が承認した製品に限定されています。
例えば、清掃ロボット、配膳ロボット、スチームコンベクションオーブン、券売機・自動精算機、など、業務の効率化を図るための多様な製品が含まれており、企業は自社のニーズに合った製品を選択することができます。
カタログは随時更新されており、新たな製品が追加されることが期待されています。申請を検討されている企業は、最新の情報、もしくは製品メーカー・販売店などに確認することが重要であり、これにより自社に最適な省力化製品を見逃すことなく選択することができます。
中小企業省力化投資補助金は、人手不足の解消の効果がすぐに得られる製品が対象となります。申請を検討されている企業は、最新の情報をしっかりと確認し、準備を進めましょう。
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《 中小企業診断士 眞本崇之 》