在庫管理は「整理整頓」が出発点
在庫管理の考え方は、職種や商品特性、商売形態だけでなく、在庫の重要度により会社ごとに異なります。また、会社内でも売上の担当者と管理部門の担当者でも違うかもしれません。その中で目線を出来るだけ合わせることが大切で、なぜ在庫管理を行うのか本コラムは基本的な整理の仕方についてお伝えいたします。是非考えていただく契機にしてください。
なぜ在庫管理が必要か/行うメリット
在庫過多は資金固定化による資金繰り悪化、値下げ・廃棄損、保管や棚卸の業務負担増、誤出荷・紛失によるロスを招きます。一方、適切な管理により資金繰り改善、損失抑制、欠品防止、生産性向上、経営判断の精度向上が期待できます。
出発点は整理・整頓
在庫管理は完璧を目指すほど管理コストが増えます。整理整頓による見える化を基本とし、重要な在庫に管理コストを集中させる事が現実的です。負担が大きく感じますが、整理整頓が全てに繋がると考えてください。
締日を作る
月末など月1回の締め日を決め、在庫表をまとめ在庫数を確認します。在庫表と現物の一致を図ることが基本です。
さらに決算や経理の締め時には、在庫表・現物・経理帳簿の3者一致を目指します。
在庫の中で万一今後売れないことが確定していればその商品の価値を財務諸表に反映するのが基本動作だからです。
商品の整理と分類
在庫は商品(品番等)ごとに分類し、可能であれば商品に付されているシリアル番号等の固有番号を付け、在庫帳簿で整理します。入庫日・数量・保管場所を紐づけることで、滞留や異常に気づきやすくなります。まずは場所を決めて保管することを始めてください。
整頓と先入れ先出し(FIFO)
定位置・棚番・表示を統一もしくは在庫表の入庫日等を確認し古い在庫から使う「先入れ先出し」を徹底することで商品の劣化・陳腐化を防ぎます。
在庫期間による区分と対応方針
在庫を保管経過期間で区分し、短期は通常販売・欠品防止、中期は販促や発注抑制、長期は値下げ、転売、廃棄など処分判断を行います。期間の基準とその対応策を決める事で在庫の放置を防ぎます。
重要度による管理
在庫金額や売上高など重視する評価軸を決めて商品を分類し、管理に強弱をつけます。
売上や利益の大部分を占める重要商品は欠品が業績に影響するため、在庫状況を常に把握し欠品を起さない管理を行います。一方、影響の少ない商品は管理を簡素化し、全体の管理負担を抑えます。
発注のルール化
最低在庫や発注点を売れ筋から設定し欠品と過剰在庫を防ぎます。重要度の高い商品はどこまで在庫が下がったら発注するか、需要の変化に合わせて機動的に変更することも大切です。
とかく作業と捉えがちですが、整理整頓から資金繰りに良い影響を与え、経営判断の精度向上にまで繋がる在庫管理は先が見通せない時代の中で重要性を増していると言えるでしょう。
《丸山 龍太郎 / 中小企業診断士 》

