中小企業診断士が巡る、練馬の街 ~光が丘のダンススタジオ STRADA STUDIO~

光が丘にあるダンススタジオ、STRADA STUDIOさん。
2018年にオープンし、現在は100名を超える生徒を持つダンススクールを運営しています。
生徒さんのコンテスト受賞も多く、webサイトには子どもとは思えない技術力と迫力あるダンス映像が掲載されています。
そのスタジオを経営している、植山祥子さんにお話を伺いました。

スタジオ概要
代表:植山 祥子(SHOKO)
所在地:練馬区旭町1丁目8−1 3F
対象:幼児~大人まで
ジャンル:HIP HOP・JAZZ・HOUSE・SOUL・BREAK DANCE・BE-BOP・FREE STYLEなど
レッスンスケジュール・料金等詳細はホームページへ
学校では教えてくれないことを伝えたい
――スクールの特徴や強みは?
生徒の大多数が子どもで、幼児から中学生くらいまでが多いですね。
高い技術と指導力のあるインストラクターが揃っているのはもちろん、ダンス技術だけでなくその背景にある音楽やファッションなど、総合カルチャーとしてのダンスを伝えることで生徒さんたちの感性や探求心を広げています。

――とてもハイレベルなスクールという印象ですが、初心者でも大丈夫でしょうか?
大丈夫です!
実はそれが課題で、ありがたいことに皆さんとても真剣にダンスに取り組んでくださるので、すぐに上手くなってしまうんです。イベントやコンテスト出場の機会も用意しているので、闘争心から「もっと上手くなりたい」と熱心な子も多くて。
すると初心者の方が入会したときに「初級クラスなのにみんな天才みたい」と気おくれしたり不安になってしまうということがあり、そんな方のために「未経験者限定」のクラスも新たに始めました。
――お子さんのタイプや性格に合わせて選べるのは安心ですね。実際に通われているお子さんや親御さんからはどんな感想がありますか?
「性格が変わった」というのをとてもよく聞きますね。「学校ではおとなしいのに、ここでは全然違うんですよ」なんていう親御さんの声もあります。
もうちょっと深いことを言うと、学校では、集団生活の中で良くないことが起こったり、友達関係でも色々ありますよね。でもここに来ると居場所があるとか、ダンスがあって救われたっていう声を今まで本当に何度も聞いてきて、ちょっと複雑ではありますが、ダンス以外のことも提供できているのかなと思います。
褒め合う、リスペクトし合うということも大切にしていて、最初は怖気づいているような子でも、例えば「今日の靴かっこいいね」とか、掃除を手伝ってくれたら「本当にナイスなことするね」とか、ダンス以外のことでも褒めることで少しずつ自信が積み重なって、ある時ダンスにも火が付いたりします。

ダンスへの愛と、子ども達への使命感
――植山さんご自身は、元々どのようなきっかけでダンスを始めたのですか?
最初は中学生の頃、まだストリートダンスやヒップホップなどが日本では全く普及していない頃に、見よう見まねで始めました。習う場所もなかったので、みんなでダンスのビデオを擦り切れるまで見ながら。
高校生でダンスを本格的にやろうと学校のダンス部に入り、同時にジャズダンスのスタジオでも習い始めました。その時にストリートでショーに出ているような仲間にも出会い、学校では部活をやって、ジャズダンス教室にも通い、夜は公園で練習と、忙しくしていましたね。本当に好きで楽しくて、純粋に上手くなりたい一心でダンスをしていました。
その後、ストリートダンスのコンテストで入賞するようになると突然ダンサーとして注目され、一気にオファーが来てあちこちのスクールや専門学校でインストラクターや講師の仕事をいただけるようになったんです。
20代の頃は講師業をやりながらショーやコンテストに出たりと、目まぐるしい日々でした。
――そこからダンススタジオの起業に至ったのは?
二人の子どもを持って、それまでの忙しい生活から一旦離れ、最初は光が丘の区民館でママさん向けのクラスをやっていました。
自分の子どももまだ小さかったこともあり、幼稚園のママ友や、もっと小さいお子さんをお持ちの方など「踊りたいけど子どもを預ける場所がない」というママのために、保育士さんの託児も付けたダンス教室を始めたんです。
それがだんだん「子どもにも教えてほしい」という要望が強くなってきて。最初は子どもの生徒が集まるのかと不安でしたが、始めてみると気づけば30人以上になっていました。
その頃に一度シングルマザーとなり、自分の子ども達を育てていくために就職もして、営業の仕事をしながらレッスンを続けていたのですが、その後もあれよあれよと生徒が増えていって。 本気でダンスをやりたい子がこんなにいっぱいいるんだと実感して、これは、ダンスで子どもを育てる事業を私がやるべきなんじゃないかという気持ちになり、スタジオを立ち上げようと決心しました。

起業を通して感じた人との繋がり
――本格的に起業をする上で大変だったことはありますか?
物件を探すだけで2年くらいかかりました。スタジオとなるとインストラクターも雇わなければならないですが、最初は貯金もなかったので就職先も辞めずに両立していたんです。でも営業の仕事も成果を求められるので中途半端にはできず、思い切って辞めることにしました。それ以降はスタジオ集客のための営業に力を注ごうと、毎日のように駅前でのチラシ配りやポスティングを頑張りましたね。
スタジオの内装にも予算を掛けられないので、床のシート剥がしなどを自分でやりました。いざやってみるとものすごく重い道具を使う危険な作業で、もう二度とやりたくないと思いました(笑)
でも一級建築士や塗装業などをしているダンサー仲間たちがいろいろと協力してくれて、助けられながらオープンしました。

――ネリサポも活用していただきましたね。
本当に一人で始めたので最初は右も左も分からなくて。ネリサポの存在を知って相談に行ってみると、店舗開業に補助金(商店街空き店舗入居促進事業)が使えることや申請の仕方など、色々と教えてもらえました。スタジオのオープン後も定期的に事業のアドバイスが得られて、自分では見えていないことに気づいたりしてとても役立っています。
――起業してよかったと思うことは何でしょうか?
たくさんの人に出会えることですね。 本当に人と人だなと思います。
それまでも沢山の出会いがありましたが、スタジオをやることで自分の周りだけではない多様な人たちと繋がり、自分の価値観とか考えも、いい意味で変わってきたと思います。
そうやって自分が成長できるのが、事業をやってよかったことですね。いっぱい勉強することがあって楽しいです。
――スタジオ経営を始めて8年目。経営者として成長を感じることはありますか?
人に任せることでうまく回っていくということを学びました。当初はこだわりもあり全て自分で決めなければと気負っていましたが、それは自分の首を絞めると気づいて。他の人の意見を素直に聞いて、それもいいね、やってみようと柔軟に試してみるようになりました。
すると自分の視点だけで進めるよりもうまくいくようになり、もっとスタジオが盛り上がって人も増えるという良い循環が生まれました。トップダウンを続けていたら、ここまでみんながついてきてくれなかったかもしれません。
事業をやる上で大切にしていること、モットーは「信頼」です。何事においても、信頼が大事だと思っています。インストラクターの皆に対しても、生徒さんでも、本人のいいところを信じて伸ばしていくことで、お互いに信頼し合える場、空気感を作っていきたいと思っています。

みんなが心を開放できる場所を
――それでは最後に、今後の展望を教えてください。
現在の多目的フロアを撮影スタジオに改装したいと考えています。せっかくみんながレッスンで踊ったりするのを、映像として自分でかっこよくプロデュースできる、それを一つの場所でできたらいいなと思って計画中です。
また、スタジオオープンと同時に始めたイベント事業として、江古田のライブハウスLive in buddyさんでずっと続けてきたダンスバトルイベントを今年で一旦終了し、今後は年に一回の総合カルチャーイベントとして生まれ変わらせる予定です。
ダンスだけではなく、ラップや音楽のライブ、ファッションなども全部組み合わせて、みんなが楽しめる、心を開放できる場所になるような企画を練っていきたいと思っているので、期待していてください!

【取材を終えて】
日本のストリートダンスの黎明期(れいめいき)を駆け抜け、女性としての様々なライフイベントを経ながらも、「ダンスが好き」という情熱を絶やさずに事業を育ててきた植山さん。
ダンスの奥深いカルチャーとその楽しさを、全身全霊で表現していることが伝わってきました。
これからも多くの子ども達の魂と自信に火をつけ、練馬区から羽ばたくスターを育てていってほしいです!
ホームページ:https://stradastudio1.wixsite.com/strada
インスタグラム:https://www.instagram.com/stradastudio9

青柳 紗千子 <アドバイザー>
ネリサポ総合相談コーナーにて相談員をしております
営業の仕方が分からない、プレゼンが苦手、とお悩みの方!強みを伝える営業と販路開拓をサポートします。





