持続化補助金の採択動向
小規模事業者持続化補助金は常時使用する従業員数が5名以下の事業者を対象とする、販路開拓や生産性向上の取組を支援する補助金です。補助対象経費は機械装置や広報費、ウェブサイト関連費、借料、委託・外注費等で、補助上限額は50万円~250万円(第13回時点/申請枠による)です。幅広い経費が対象となる他、採択率(採択件数÷申込件数)が事業再構築補助金やものづくり補助金よりも高いことから、相対的に申請ハードルが低い補助金でした。
しかしながら、昨今は以下の表の通り採択率は低下傾向です。2023年8月に採択結果の発表があった第12回では55.6%まで低下しています。事業再構築補助金第9回(締切日:2023年3月24日)の採択率45.5%、ものづくり補助金第14次(締切日:2023年6月23日)の採択率50.8%と比較すると採択率は依然高いです。一方で、持続化補助金も競争率の高い補助金の部類に入ってきたと感じます。
募集回 | 第9回 | 第10回 | 第11回 | 第12回 |
締切日 | 2022年9月20日 | 2022年12月9日 | 2023年2月20日 | 2023年6月1日 |
申込件数 | 11,467 | 9,844 | 11,030 | 13,373 |
採択件数 | 7,344 | 6,248 | 6,498 | 7,438 |
採択率 | 64.0% | 63.5% | 58.9% | 55.6% |
なお、第12回の採択率低下の要因の一つとして申込件数が第11回比2割程度増加したことが挙げられます。2023年9月7日締切りの第13回についても、相談業務に従事している者の肌感ではありますが、多くの申込があったのではないかと感じます。
採否を大きく左右する事業計画書は具体的かつ筋が通ったものであることが最低限必要です。一方で、上記の状況を踏まえると、今後はより「審査ポイントも踏まえた記載」を行うこと、「加点項目を狙う」ことが重要だと考えられます。
※採択率:中小企業庁及び各補助金事務局HP公表情報より算出
《 森川 泰裕 / 中小企業診断士 》