お試し価格を設定するには
「フロントエンド商品」「バックエンド商品」という言葉を聞いたことがありますか?
「フロントエンド商品」は、いわゆる「お試し価格」や「目玉商品」のことで、まずは来客を促すという目的で販売する低価格な商品・サービスを指すのに対し、「バックエンド商品」は、本当に売りたい高価格な商品を指します。
例として、エステ、美容室、各種教室などの初回割引、ランチの来店客をディナーに誘導、スーパーで目玉商品をPR、といったことが挙げられます。これらは、より高い価格の商品・サービスを購入してもらえるように低価格で呼び寄せて誘導します。
しかしながら、安さに引き付けられたお客様に満足して高額な商品を購入してもらうには、注意するべきことがあります。
①最初から価格設定をわかりやすくする
「この価格だったら毎月続けられそう」と思ったのに、1回のサービスを受けた後に「実は・・・」と同じ内容で高額な提案をされるケースがあると、不信感を抱かれることがあります。最初から2回目以降の価格もわかりやすくするとお客様も安心します。
②お試し価格だけで終わらせない
呼び寄せに使ったフロントエンド商品が低価格であっても、本当に売りたいバックエンド商品に関連性がないと、客単価も利益も上がりません。また低価格だからとぞんざいな接客だと次回の来店に繋がりません。ターゲットがどのようなことを望んでいるのか、十分に検討した上で誘導しましょう。
③価格重視のお客様をターゲットとしない
初回割引を目当てにお店を転々としている「初回荒らし」を避けることも大切です。継続して通うことによってどのようなメリットがあるのか、2回目以降価格が高くてもそれを上回る満足度があることが大切です。初回と2回目以降の価格差をあまりにも大きくしすぎないなど、価格重視のお客様は追わないようにしましょう。
継続的な関係を築ける良いお客様を育成することが大切です。
《 鈴木 香織 / 中小企業診断士 》