上手くいかない時の「なぜなぜ分析」
「なぜなぜ分析」という言葉をご存知ですか?
計画通りに進まない、あるいは何かしらのトラブルが起きた時、「なぜ?」「なぜ?」を何度も繰り返すことで、解決策を見出すことができます。5回繰り返すことによって原因を見つけ出すことができるとも言われています。
例えば、「大切な書類を見落としてしまう」という問題はどのように解決できるでしょうか?
①なぜ大切な書類を見落としてしまうのか
→机の上が散らかっているため、書類が紛れてしまう
②なぜ机の上が散らかるのか
→書類の整理整頓ができないため、机の上が散らかってしまう
③なぜ書類の整理整頓ができないのか?
→書類の廃棄と保管場所の判断ができない。
④なぜ書類の廃棄と保管場所の判断ができないのか
→書類の廃棄・保管の判断基準が不明確である
⑤なぜ書類の廃棄・保管の判断基準が不明確なのか
→書類ごとの保管ルールを知らない
その結果、
①保管するべき書類とその保管場所、保管期限を記載したリストを作成し、誰でも確認できるようにする。
②①のリストに該当しない書類で廃棄しても良いかの判断に迷った際は、相談するべき人を決める
ということで、廃棄・保管のルールと判断基準が明確となり、机の上は整理整頓され、書類の見落としも解消されることになります。
この分析方法には留意するべきことが2点あります。
①具体的に何が問題なのか明確にする
この分析を行うにあたっては、その起点となる問題点を明確にする必要があります。
上記の例だと、「なぜ事務ミスが多いのか?」よりも「大切な書類を見落としてしまう」の方が解決策も明確になります。
②個人の能力・資質を問い詰めない
「大切な書類を見落としてしまう」という問題は、単に担当者個人の能力に問題があった、ということだけでは、成長しません。誰がやっても見落とさないように済むような仕組みづくりが大切となります。
「なぜなぜ分析」をした場合は、相手を問い詰めることがないよう、関係者へのフォローも大切にしましょう。
《 鈴木 香織 / 中小企業診断士 》