「差別化」を打ち出そう!顧客から選ばれる差別化の極意とは

『差別化が大事』と、よく耳にすることがあると思います。

「差別化」とは、自社にしかない特徴によって、顧客に選ばれる仕組みを作り出すことです。

モノがあふれ、似たような商品を取り扱う競合業者、同じようなサービスを展開する店舗が増えている現代のビジネス環境では、競合店との違い「差別化」を打ち出し、顧客に説明して、顧客にその違いを理解してもらい、顧客に選ばれなくてはなりません。

この記事では、どのような観点で差別化をしていけばよいのか、「マーケティングの4P」を用いて説明をしていきます。

Price 低価格戦略!?

「差別化」の目的は、高価格帯でも売れるようにするためであり、低価格販売を実現できることは、本来、『コストリーダーシップ戦略』と呼ばれます。

とは言え、低価格で提供しても利益を出せる背景には、コスト削減や効率化、独自の仕入れルート確保により低価格での仕入れができるビジネスモデルなど、無形資産、企業努力や工夫が差別化の1つとして考えられます。

しかし、2024年の昨今は、物価高が顕著であり、仕入れだけでなく、資材・輸送物流、人件費を含む様々なコストが上がっており、低価格戦略(コストリーダーシップ戦略)を取ることは現実的ではありません。

多くの企業・店舗が値上げをしているように、高価格帯でも売れる商品、売れるサービスにするためには、差別化が必要、という方向性にならざるをえません。

Product 商品に独自の価値がある

差別化には、ターゲットの絞り込みが重要です。
商品については、ターゲットが求めている機能がありに限定し、他にはない機能面、効果効能、価値をターゲットに提供できるか、が重要となります。

また、小売業であっても、商品力だけでなく、接客応対、アフターサービス、利便性、などのサービス力も重要で、特に中小企業の場合は、社長、社員、アルバイトの少数精鋭の人間力で勝負することも立派な差別化となります。

Place 独自の販売ルートがある

楽天市場やAmazonのようなショッピングモールで出品していては、違いを出しづらく探してもらうのは非常に難関です。例えば、「美脚パンツ」を楽天市場で検索したところ、約7000点もの商品が表示されてきました。

ポータルサイトも同様で、高い集客力があったとしても、多くの競合他店と並べられ、埋もれてしまうことは必至です。

差別化をするには、オンラインでもオフラインでも独自の販売ルートが必要です。
例えば、顧客名簿、名刺、購入履歴、問い合わせ履歴、アンケート等、独自で取得した顧客リストが挙げられます。
顧客リストをうまく活用できるか、すなわちリピート客が多く獲得できているか、自社の継続のためになくてはならないものとなります。

この顧客リストは、自社だけが顧客に直接アプローチできるため、他社には真似できない差別化ポイントとなります。

Promotion ブランディングできている

プロモーションの差別化とは「ブランディング」のことです。

「ブランディング」は、
・●●駅前にあるカフェと言えば、〇〇
・特殊形状に□□加工してくれる工場と言えば、■■
と、連想されることを指します。

つまり、「★★と言えば、あなた」とブランディングできように、差別化を図ることによって、顧客から選ばれる、競争力を高めることができるようになります。

最も差別化しやすいものとは!?

上記いずれか1つでも差別化できていれば、今後もしっかりと差別化を打ち出してください。

もし、差別化できるものが1つもなかった、という企業はどうすればよいのか??

それは、「あなた自身」で勝負することが必要です。
スナックのママ、Barのマスターのように人間性であったり、波長が合う、応援したい、あなたとの人間関係によって得られる魅力を感じてくれるお客様を見つけることです。

サービス業だけでなく、製造業であっても、小売業であっても、ネットビジネスであっても、「あなた自身」がお客様に選ばれるようになれば、競合他社にない、また単純に比較できない最強の差別化になります。

《 眞本崇之 / 中小企業診断士 》