その利益計画、利益の予測になってませんか?

目的からの逆算の発想は経営においても重要と言われます。

そもそも何のために事業を行っているのか(経営理念)を最上位概念とし、その実現のために事業を継続させる必要があり、事業を継続させるために利益を捻出する。そして必要な利益を捻出するために、効率的にコストをかけて、必要な売上高をあげる必要があります。

来期の利益計画は?と聞かれたときに、どのように答えていますか?

「今期の売上実績からすると来期は○○○くらいの売上予測だから、利益は○くらい。」

ではなく、

「必要な利益は○○だから、計画している売上高は○○○○。」

と、答えが返ってくるとハッとします。

売上高を上げるための事業ではなく、事業継続に必要な利益を稼ぎ、経営理念を実現するための事業だと思います。

経営理念の実現に繋がる利益計画は、利益を予測することではありません。

企業は、稼いだ利益から税金を払い、借入金を返済し、未来事業への投資を行い、さらにコロナなどの不測の事態への備えも必要です。配当が必要な企業もあるでしょう。
このように考えると、事業継続に必要は利益は想像以上で、その利益を確保するために必要な売上高(必要最低限の売上高)は、現状からの予測では大幅に不足することも少なくありません。


それならばやはり、利益計画は利益から計画するべきです。

事業継続に必要な利益はいくらか?
そのためにかける固定費は?
変動費(または粗利率)は?
その結果、導きだされる売上高は?

さらに、その売上高をあげるために、誰に、何を、どのくらい売るのか(販売戦略)をトップダウンで決め、誰が、どうやって売るのかという行動に繋がる具体的な戦術をボトムアップで計画することが有益です。

そして力が集中するように、計画書として明文化し、みんなで共有してみてはいかがでしょうか。

《 利光 洋一 / 中小企業診断士・公認会計士・税理士 》