子どもに事業を継いでほしい ②

お子様が継いでくれない場合でも、その場で結論を出すのは早計です。

なぜなら、人生は山あり谷あり、思い通りに行くことの方が少ないもの。

お子様の人生設計も、環境の変化で大きく狂う場合もあります。

有名な上場企業に入って、親御さんよりも年収が多い、そんな場合もありますが、大企業だから生涯安心して勤められるとは限りません。

実際には経営方針の変更から、大規模なリストラが行われて、50歳前に退職せざるを得ない場合もあります。

つまり、ぎりぎりまで可能性を信じて、後継者候補の一人として、お子様を見つめていることが大切です。

早期退職を受け入れて、実家の跡取りになった方も沢山いる時代です。

有名企業に入社したお子様に、どうしても戻って欲しい。

何とかならないか、というご相談も増えております。

私の経験では、お子様を呼び戻すのにふさわしいタイミングは、人生に3回あります。

① 23~26歳  第二新卒と言われる時で、胸をふくらませて入社したけれど、自分の考えていた会社と、現場があまりにも違っていた場合。

② 32~35歳  ファーストセレクションと言われる、初めて会社で行われる異動昇格・転勤・職種変更など、大きな人生の変化が起きる場合。

③ 42~45歳  社会人として20年。会社内での自分の限界が見えるころ。ここで肩たたきがあれば、人生の転換点についてシビアに考える事になります。

後継者から見て、当社はどのように映るのか?

魅力的な転職先となっているでしょうか?

次に続く

《 内藤 博 / 中小企業診断士・事業承継士 》

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