生成AIで顧客像をイメージしよう
「誰に売るか」ということを考える際、そのお客様はどんな人なのか、具体的に考えてみることはとても大切なことです。単なる年齢・性別・居住地・職業・家族構成といった基本的な属性だけには留まりません。
どのような願望を持つ人なのか、その人の困りごととは何か、何に幸せを感じるのか、平日・休日はどのような生活を送っているか、家族との関係はどうか、というところまで想像します。
まるで実在の人物のようにイメージを持つ顧客像を、「ペルソナ」と呼びますが、これには次のようなメリットがあります。
- 顧客の細かいニーズを想定できる
- 自社の方向性が決まる
- 社内の共通認識として行動できる
年齢・性別・家族構成といった誰でも表面的にわかるような情報だけでは細かいニーズは収集することはできません。例えば「近隣で暮らす30代の独身会社員の女性」と一言で言っても、その価値観は多様であることを認識する必要があります。
しかしながら、「ペルソナ」にぴったりとする人を見つけ、内面的なところまで事細かくヒヤリングしていくことは至難の業です。
そこで、生成AIの力を借りることも一つです。
Microsoft Copilotに聞いてきましょう。
プロンプトの例:
あなたは【居酒屋】の店主です。近隣(住宅地)で暮らす30代の独身会社員年収400万円の女性のペルソナを生成してください。勤めている業界、どのような願望を持つ人なのか、その人の困りごととは何か、何に幸せを感じるのか、平日・休日はどのような生活を送っているか、家族との関係はどうかをイメージしてください。
Microsoft Copilotが提示したペルソナ
ペルソナ: 佐藤 美咲 (さとう みさき)
- 年齢: 34歳
- 職業: IT企業のプロジェクトマネージャー
- 住居: 練馬区のマンションで一人暮らし
- 年収: 600万円
●勤めている業界
美咲さんはIT業界で働いており、特にソフトウェア開発プロジェクトの管理を担当しています。チームをまとめるリーダーシップと、クライアントとのコミュニケーション能力が求められるポジションです。
●願望
美咲さんはキャリアアップを目指しており、将来的には部長職や役員を目指しています。また、プライベートでは趣味の旅行や料理を楽しむ時間を増やしたいと考えています。結婚や家庭を持つことにも興味がありますが、まずは自分のキャリアを確立したいという思いが強いです。
●困りごと
- 仕事のストレス: プロジェクトの締め切りやクライアントの要求に応えるため、常にプレッシャーを感じています。
- 孤独感: 一人暮らしのため、仕事が終わった後や休日に孤独を感じることがあります。
- 健康管理: 忙しい日々の中で、食生活や運動不足が気になっています。
●幸せを感じること
- 友人との時間: 友人と居酒屋で飲んだり、カフェでおしゃべりする時間が何よりのリフレッシュです。
- 趣味の時間: 料理や旅行の計画を立てることが好きで、新しいレシピに挑戦したり、次の旅行先をリサーチすることに幸せを感じます。
- 自己成長: 新しいスキルを学んだり、資格取得に向けて勉強することに充実感を覚えます。
●平日の生活
- 朝: 7時に起床し、簡単な朝食をとってから出勤。
- 昼: オフィスで仕事。ランチは同僚と外食することが多い。
- 夜: 19時頃に帰宅。自炊するか、近所の居酒屋で軽く飲むことも。夜はリラックスして読書や映画鑑賞。
●休日の生活
- 土曜日: 午前中はジムで運動。午後は友人とショッピングやカフェ巡り。
- 日曜日: 家でゆっくり過ごすことが多く、料理や掃除をしてリフレッシュ。夕方には次の週の準備をする。
●家族との関係
- 美咲さんは両親と良好な関係を保っており、月に一度は実家に帰って家族と過ごします。特に母親とは頻繁に連絡を取り合い、料理のレシピを交換し、近況を報告し合っています
と出ました。
向上心がありハードな仕事をしているが、実は寂しがりやで、料理は好きだけど健康は気になるという人物像をイメージすることができます。そのような人が喜ぶようなメニューやサービスは連想できないでしょうか。
もし、ここで「何かイメージが違う」と思ったら、条件を訂正して提示してください。
そうすると、訂正されたペルソナ像を提示してきます。
生成AIは必ずしも正しいこと、根拠が明確なことばかりを挙げてくるわけではありませんが、アイディア出しには有効です。
《 鈴木 香織 / 中小企業診断士 》