派遣社員の同一労働同一賃金

派遣社員の同一労働同一賃金について議論がありました。

同一労働同一賃金をそのまま適用しますと、短期間にいろいろな企業で働く派遣社員の給与が、派遣された会社次第で上がったり下がったり。同じ業務をこなして経験年数を積んでも給与水準の低い会社に派遣されたら給与が下がってしまう、ということが起こり得るわけです。いかに、同一労働同一賃金とはいえ、派遣社員にとっては収入が安定しませんし、派遣会社にとっても給与水準の高い派遣先ばかりが人気となってしまい事業に偏りが生じてしまいます。

そのような不都合を解決するために労働者派遣法では、均等均衡方式のほかに「労使協定方式」が用意されました。これは、派遣社員の賃金額を、同種の業務に従事する一般労働者の平均的な賃金額と同等以上とする内容で労使協定が結ばれているならば同一労働同一賃金に反しない、とするものです。

改正労働者派遣法は令和2年4月1日施行となります。

それまでに、賃金制度を確立し、労使協定を締結し、さらには就業規則を改定する必要がありますので、この対応は待ったなしです。

《 馬場 一成 / 特定社会保険労務士 》