SDGsと相性の良い事業承継

 17のゴールと169のターゲットに対し、2030年までに達成しようとSDGsへの取り組みが活発になっております。街角では、スーツの襟にSDGsのバッチを付けたビジネスパーソンもよく見かけます。

 ただ、今、この2030年の目標に対し、日本をはじめ世界で遅れが見え始めていることをご存知でしょうか。アフターコロナの今こそ、この目標に対し、巻き直しの計画を練り直す機会と言えます。

 PDCA(Plan/Do/Check/Action)を回すことにより一歩ずつ目標につなげるSDGsは2030年がゴールとなります。2030年となりますと今から6年後です。一方で、ゴーイングコンサーン(継続企業の前提)と言われる会社の経営において、一般的に長期経営計画の策定は5年程度の期間を想定しています。同様にこの長期間を考えた時、次の世代の経営を考えられたり、事業承継をお考えになる経営者様もいらっしゃるのではないでしょうか。事業承継用の計画書には、書式がいくつかあります。10年のスパンで考える「事業承継計画書」という計画書では、経営の引継ぎに際し、計画的に中長期目標(経営理念、事業の方向性、将来の利益目標など)を設定します。事業を行う上で、これら長期的な計画を立て、そのゴールに向かう内容は、期間こそ若干違えども、どれもSDGsで立案した取組みと同じ内容・方向性になるのではないでしょうか。従いまして、SDGsへの対策の計画と長期経営計画と事業承継計画書は相関関係があり、相性が良く親和性が高いと言えます。

 お忙しい事業者の皆様におかれましては、これらの計画を合わせて視野に入れておかれて考えてみるのもよろしいのではないでしょうか。なお、事業承継計画書に関しましては、中小企業庁のホームページにございます「事業承継マニュアル」の16-17ページに掲載がございます。

 【出典:中小企業庁 ホームページ 「事業承継マニュアル」を公表します】
https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/2017/170410shoukei.html

 


また、「事業承継計画書」に関しましては、以下の内容が盛り込まれます。

1 売上・経常利益など事業の数値的計画
2 定款変更や株式移転
3 現経営者における関係者への周知
4 後継者教育 次期経営者が受けるべき社内外の教育計画

などです。10年の事業承継計画の場合、これらをスケジュールごとに計画書へ落とし込みます。その際には、

1 家族への相談や理解
2 企業価値・株式価値の算定、株式移転
3 定款の変更手続き
4 現経営者の退職金算定・支払い
5 上記内容の顧問税理士・専門家への相談

などの実務的なアクションがあります。

【事業承継計画書のサンプル】

 事業承継計画書のExcelデータはこちらから、ダウンロード可能です。
https://www.smrj.go.jp/sme/succession/succession/supporter/

 【出典:独立行政法人 中小企業基盤整備機構 ホームページ
    事業承継計画表記入様式】

 皆さまの各企業によって状況は千差万別です。いきなり事業承継計画書を作成することは難しい面もございます。

事業承継についてお困りごとがございましたら、お気軽にネリサポへご相談下さい。

《 森 彦明 / 中小企業診断士 》