社長!こんなときどうしましょう
ある日、出勤したら総務係の担当者の机の上に「退職届」が置いてありました。時間になっても出勤しないので携帯電話に電話しましたが、応答がありません。退職届には、5月31日付で退職する、それまでの期間は全て有給休暇を取得すると書いてあります。そういえばこの間、係間で責任のなすりつけ合いのようなトラブルがありました。
こんなときどうしましょう?!
退職についてですが、民法では雇用の期間を定めなかった場合は、いつでも解約の申し入れができることになっています。賃金締切日によって1か月以上かかることもありますが、原則、雇用契約の解約は、申し入れの日から2週間を経過することによって終了することになります。就業規則で「3か月前までに退職の意思を伝える」とあっても、民法上の規定からいわゆる『辞職』と解され、慰留するのは難しくなってしまいます。
有給休暇は正常な運営を妨げる場合には、使用者には時季変更権を認めていますが、断ることは認めていません。退職日を超えて時季変更権を行使する余地はないので、この場合、認めざるを得ないことが多いでしょう。
最近、職業柄か労働者から『退職したい』『辞める方法を教えてください』と悲しい相談が増えています。
「やりがいがある仕事」とか「モチベーション」は気持ちの問題かもしれませんが本当に大事です。「働き方改革」の重要性を痛感することが多いです。
《 加治 直樹 / 特定社会保険労務士 》