既存のお客様へ向けての新メニュー提案
事業を開始する際、顧客ターゲット層を決め、年齢・性別・ライフスタイルなどを想定することが、顧客ニーズを把握する上で大切なこととされています。開業後そのお客様と信頼関係を築くことができたなら、高額な広告費用をかけなくても、売上の維持が期待できるでしょう。美容業など、事業者自身と似た年齢層を顧客として想定した起業も多くみられます。
しかしながら、長い年月の中、お客様も一緒に年を取り、ライフスタイルや価値観も変わっていきます。そこで、常に同じものばかり提供しているのでは、顧客離れを招く場合もあります。
そこで、既存客に向けた新メニュー開発の進め方を説明します。
- ニーズの深堀
・今のお客様のライフスタイル、困りごとなどをヒヤリングします。
・「~~だったらなぁ」という発言は、貴重なヒントです。メモを集めておくと良いです。
- 新メニューの検討
・自分自身の強みを活かせるものなのか、検討しましょう。
・資金や運用体制などに無理がないか確認しましょう。
- 新メニューの準備
・従業員がいれば教育が必要です。なぜ、それをやるのか、という説明を行い、納得・協力を得る必要があります。
・不慣れさゆえの失敗も懸念されますので、マニュアルを作成し、チェックシートなどで抜け漏れをチェックします。
- お客様への新製品の告知
・これまで提供してきたものと何が違うのか、わかりやすく伝えることが必要です。
・その製品がないことが不満で離れていったお客様もいるかもしれません。お客様の連絡先が分かれば、案内を出してみましょう。
・既存のお客様限定の「お試しキャンペーン」も有効です。
- 確認と改善点の検討
・お客様には、感想を聞いて下さい。不満な部分を聞く事があれば、改善するようにして下さい。
新製品を提案しても、顧客の要望に合わないもの、不満を持たれるものであれば、無駄な事になります。日頃から色々な要望を聞いて関係を築いているお客様への提案は、全く関わりのないお客様に対して新メニューを売り込むよりも有利です。
《 鈴木 香織 / 中小企業診断士 》