2025年版中小企業白書におけるデジタル化・DXの記載について

中小企業庁では例年、「中小企業白書・小規模企業白書」を発表しています。今年度版は4月25日に閣議決定され公開されました。今回は、2025年版の中小企業白書にてデジタル化・DX(デジタルトランスフォーメーション)がどのように記載されているのかをご紹介します。

本白書では「労働生産性・設備投資・デジタル化・DX」の章が設けられており、中小企業の経営強化や成長戦略の主要テーマの1つとして位置付けられています。人手不足に対応するためのDXによる業務効率化や成長加速を経営者とともに実現するDX人材の必要性が述べられています。

また、デジタル化については取組段階を4つのステージで整理しており、この1年で取組が進んでいることが示されています。

https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2025/PDF/chusho/03Hakusyo_part1_web.pdf から引用

多くの企業がこの1年で段階1から段階2へ進み、デジタルツールの利用などに踏み出していることが分かります。デジタル化に取り組めていない企業はまだ1割強ありますが、今後のデジタル化の進展を考えると段階1にとどまる企業はさらに少数派になっていくことが予想されます。今後、段階が進んだ企業が増えるにつれて、受発注や請求業務の電子化など、取引先がデジタル化を求めてくることもあり得ます。今のうちから少しずつでも対応を進めていきましょう。

 《滝澤 暢 / 中小企業診断士》