「立地に失敗した!」と思ったら
店舗を開業する際、「立地」は売上の大きな要素となります。
朝は人通りが多いが昼間は少ないため、十分な集客が得られなかったというケース、また手前に集客力の高い店舗があったものの、そこで通行人は引き返してしまい自分の店舗の前を歩く人はいない、というケースもありました。インターネットで入手できるデータだけではなく、自分が売りたい商品の売れる時間帯とその人通りはどうなのか、その通りの通行人はどのような動きをしているのかという点まで、現場を確認する必要があります。
本来、シビアな調査をした上で、開業をするべきなのですが、家賃や物件の空き状況などの条件によって、時間をかけて慎重に検討するほどの余裕もないことが実情です。
それでは、開業後立地の悪さに気づいた場合、どのような対策が考えられるでしょうか?
1.Webを利用
集客サイトやHP、SNSなどで集客です。その店舗が視認性が低い立地であっても、集客は可能です。もっとも、Webの場合は、検索されて上位に表示されないと、認識されることもありませんし、強化を図ろうとしてコストがかかってしまうケースもあります。
2.Web以外の媒体を利用
Web以外で考えられるものは、チラシのポスティングや折り込み広告などです。Webと異なり検索されなくても目にふれるという点が強みですが、読まずに捨てられるケースが高いため、読みたくなるような内容であるか、ターゲットの行動に合っているか、配布方法が適切かという検討が必要です。
3.立地の悪さを逆手に取る
「立地が悪い」ということは、周辺の環境はどうでしょうか?もしも周囲がひっそりとした住宅街であったとしたら、「静かで落ち着ける隠れ家風サロン」というようなアプローチの仕方も可能です。「誰からも支持される」のではなく、「自分だけの」という特別感を感じてもらうことも一つではないでしょうか。
3.顧客に提案して客単価を上げる
その顧客が不安に思うことや要望などを聴き取り、その顧客に合った提案を行うことによって、その顧客の客単価を上げることができた例がありました。店舗の視認性の低さから来客は少なくても、客単価が高いことで、売上を計画に近づけられた例がありました。 このように立地の悪さを克服できたケースはありますので、参考にしていただけたら幸いです
《 鈴木 香織 / 中小企業診断士 》