事業承継 後継者を決めるには?
今回より数回に分けて事業承継に関して少しお話しさせていただきます。
1回目は、「事業承継 入口戦略を考え、後継者を決める」と題してお話しさせていただきます。
2023年に東京商工会議所様にて、事業承継に関するアンケートが実施されました。
対 象:主に東京23区内中小・小規模企業10,000社
期 間:2023年7月14日(金)~8月10日(木)
回答数:1,661社(回収率16.6%)
その中でも、私が注目したのは「後継者の決定状況」に関する、以下のアンケート結果です。

【出典】2024年 東京商工会議所「事業承継に関する実態アンケート
太い赤枠で囲った部分は、後継者を決定していない事業者様が半数以上いらっしゃることを示しています。入口である後継者の決定がされていないとなると、もちろんその後の事業承継は進みません。どうすれば良いでしょうか。今回は、事業承継の入り口戦略である「後継者の決定」について考えてみたいと思います。
「後継者の決定」が出来ない主なケースをご紹介差し上げます。
-1 後継者を1名に絞り切れないケース
身近に後継者になるべき人材が複数名いらっしゃるのは素晴らしいことです。その優秀な人材を1名の後継者に絞るのは大きな決断です。多様な視点から後継者にふさわしい人材を選ぶポイントがあります。そのポイントは事業者様ごとに異なり一概に言えませんが、私は3つのポイントをお伝えしています。①知的レベル(IQ)、②経営への想い(EQ)、③経営者としての年数(経験)、です。これらのミックスから1人に絞っていきます。また第三者の目線も有効です。自分と同じ考えか、異なる考えであればそれはどのような考え方であるか。「後継者の経営能力」を見極め、どう高めるかを考えることも経営者としては大切でしょう。

【出典】2023年 中小企業白書 第一部 第1-3-31図
-2 後継者候補に伝えるタイミングをつかめないケース
親族内であれば「家族会議」を開き、その場で本人に伝える方法もあります。従業員であれば1on1(ワンオンワン)ミーティング(その従業員個人との個別面談)の場なども考えられます。経営者としても勇気を持って決断するシーンとなります。
-3 後継候補者に伝えたが断られるケース
人生の生き方が多様化する中で、「この人に!」と決めたとしても、相手にその気が無い場合も多々あるでしょう。人生はその人のものです。手出しはできません。ただその前に、断れない環境や雰囲気を醸成することも重要ではないでしょうか。戦略的に動きましょう。また、もしも断られたらとしたら、奥の手(第三者承継・M&A)も考えておくことも大切な経営方針です。
-4後継者候補が全くいないケース
各都道府県に「事業承継・引継ぎ支援センター」という窓口があります。このセンターでは、後継者候補のいない事業者様と会社を経営(承継)したい方をマッチングさせるサービスも行っております。
経営者の皆様、後継者を決めていらっしゃいますか?その候補者の方へは、後継ぎを打診してらっしゃいますか。 ネリサポでは、事業承継に関するさまざまなご相談を承っております。お気軽にお問い合わせください。
《 森 彦明 / 中小企業診断士 》

