その契約ちょっと待って!外注先との契約前にチェックしたいポイント5選

自社でできない業務を外部業者に発注することは、往々にしてあります。
しかし、安易な契約によって外注先とトラブルになり、予想外の負担(時間や労力を取られたり、金銭的な損失)が出ている事業者が後を絶ちません。

今回のコラムでは、ホームページ制作を例に、契約をする前に注意をしてチェックすべき業者選定のポイントをお伝えしていきます。

まず、前提として、候補となる業者は複数挙げておくことが必要です。
1社の見積だけで、そのまま契約を進めてしまう方もいらっしゃいますが、ホームページ制作業者は2万社いる、というようなデータがあります(フリーランスや副業を含めるともっといるかもしれません)ので、いろいろと話を聞いて見積を取得してみてください。制作物のクオリティ、相場、担当者の対応などを把握することができるでしょう。

そして、見積合計金額の大小だけを比較して業者を選定すると、失敗をしてしまうケースが多くなりますので、下記のポイントを1つずつチェックしてみてください。

①見積明細を見る

「A社の見積にあって、B社の見積にはない」というように、各社で見積明細が異なる場合がありますが、1点1点比較をして、違いを見極める必要があります。

その場合に、B社の見積にある対応項目は、A社に含まれているのかどうか、を確認します。含まれていないのであれば、本当に必要ないものなのか、実は必要であるのに書かれていないのか、を把握していきます。

求める機能が含まれていない、追加オプションになる場合には、事後請求が多くなり、当初の見積金額よりも高くなってしまった、見積合計金額の高い業者に頼んだ方が結果的に安かった、というような事例もあります。

②実績を見る

金額の次にチェックをしていただきたいのは、実績です。

制作実績は、制作業者の「信頼の証」でもありますので、見積と同時に実績を提示してもらうようにしましょう。

また、実績を見ることで、クオリティや傾向を感じ取ることができます。

特に、ホームページ制作のように、詳しい機能はわからない、期待するデザインを口頭で表現することが難しい場合には、実績をベースにすると要望が伝えやすくなります。

③口コミを見る

商品販売をするショッピングECモールや、飲食店や美容院などが掲載されたポータルサイトのような個人向け商品・サービスだけではなく、ホームページ制作業者などの事業者向けサービスであっても、評判や口コミを検索することが可能です。

『(社名) 評判』のような検索をしてみてください。

Googleビジネスプロフィールや業界ごとの検索サイトなどが表示されますので、顧客からの口コミ、評判を見ることができます。

④契約書を見る

事業者同士の契約には(個人利用と異なり)クーリングオフが適用されない、知的財産権や瑕疵担保の記載など、後になってトラブルになりそうな重要な内容が多いため、慎重に行うことが必要です。

特に、契約書には難しい用語が多く並んでおり、理解が難しいことから、正しく把握できないまま不利な条件で契約をしてしまうこともあります。

ネリサポの法律相談では、契約内容に関するアドバイスも可能ですので、ご利用ください。

⑤担当者を見る

長くお付き合いをする場合には、担当者とのフィーリングも大事です。

相談・質問しやすいか、問合せに対するレスポンスが早いか、回答が丁寧でわかりやすい対応ができるか、話し方やしぐさなど、コミュニケーションに不快なストレスを感じないかを判断してください。

担当者とウマが合わなければ、継続的に連絡が取りづらくなり、十分なサービス(サポート)を受けられなくなることにも繋がりかねません。

以上のように、外注先の選定時に見るべきポイントをまとめました。 自社にない技術や労働力を活かせる外注先との協力体制は、事業拡大に大いに役立ちますが、契約トラブルが起きないように慎重な検討と準備をするようにしてください。

《 眞本崇之 / 中小企業診断士 》