中小企業診断士が巡る、練馬の街 ~RAHMS COFFEE~
今回は、今年1月に石神井公園近くにオープンした「RAHMS COFFEE」について紹介します。
こちらのオーナー兼バリスタの竹村陽次郎さんは、練馬ビジネスサポートセンター(ネリサポ)の経営相談をご利用いただき、主に事業計画書作成をサポートしてきた事業者様です。
店舗情報
店舗名:RAHMS COFFEE(ラームズ コーヒー)
住所: 東京都練馬区石神井町3-3-33
特徴:公園近くに佇む くつろぎのカフェ。
オーナーが手淹れするこだわりのスペシャリティコーヒーと、
奥様が作る美味しい焼き菓子が特徴です。
北欧風のシンプルで温かみのある空間が訪れる人を優しく迎え入れます。
RAHMS COFFEEは、元サラリーマンのオーナーが奥様とともに始めたカフェで、コーヒーと焼き菓子の品質に徹底的にこだわった一軒です。オーナーは「自分が美味しいと思えるコーヒーを提供したい」との思いから、手間のかかるハンドドリップを採用。浅煎りのフルーティーなコーヒーから深煎りのコク深いものまで幅広く揃え、最高の一杯を提供しています。
焼き菓子も「RAHMS COFFEE」の大きな魅力です。キャロットケーキやクッキーなど、奥様考案のレシピをもとにスタッフが毎日手作りしています。コーヒーとの相性は抜群で、ほとんどのお客様がセットで注文されるほどの人気です。開店以来、たくさんのお客様が来店しています。リピーターが多いこともこのカフェの特徴です。
借景の公園を見ながら味わう
浅煎りアイスコーヒー
人気のキャロットケーキ
季節毎に入れ替わる豊富な焼き菓子
【カフェ開業の成功の秘訣を探る】
カフェ業態での起業は計画通りに進まないことが多いのですが、「RAHMS COFFEE」は1年目から順調に進んでいます。
その理由を、中小企業診断士の視点から考察してみましょう。
創業のポイント ➀: しっかりとしたコンセプト
コンセプトとは、事業のアイデアを「誰に」「何を」「どのように」の3つで具体化したものです。
「RAHMS COFFEE」もこの3つの要素がしっかり結びついています。
1.誰に: 平日は公園近くに住む主婦層、週末はファミリー層に着目した。
2.何を: 店名の「RAHMS」はスウェーデン語のラーゴムという言葉の意味、「ほどほどに、ちょうどよくいこうよ!」から取っており、お客様にリラックスして一息つける空間を提供。
3.どのように: 焼き菓子とコーヒーの幸せな組み合わせ。北欧風の落ち着いた内装と観葉植物で心地よい空間を演出。
創業のポイント ➁: 立地選びのこだわり
竹村さんは最初から石神井公園近くを考えていたわけではなく、広範囲に渡り長期間をかけて店舗候補地を探していました。人通りが多く、視認性の良い場所を条件にし、現店舗の決定に際しては1週間にわたり様々な時間帯で通行量や通行者の属性を観察したとのことです。メイン道路ではありませんが、多くの通行客がいることを確認し、契約したそうです。
立地は飲食・カフェにとって一番大事な要素です。このように契約前にしっかりと調査することが必要です。
創業のポイント ➂: 事業計画書の重要性
サラリーマン出身の竹村さんは、異業種であるカフェの創業に際し、時間をかけて事業計画書を作成しました。そしてその計画書を友人の銀行マンやネリサポに相談しました。第三者からの意見を取り入れて何度もブラッシュアップしました。その結果、計画書をもとに日本政策金融公庫と信用金庫から満額の融資を引き出すことに成功。また、事業計画書は3年計画で作成されており、来年以降も行う目標が明確であり迷うことなく進むことができます。
もちろん、創業時の取組だけでなく、竹村さんの時間や手間をかけても「自分で美味しいと満足できるものしか提供しない」というこだわりや、「お客様を喜ばせたい」という想いが、RAHMS COFFEEの成長を支えています。
まとめ: カフェ起業の成功の鍵
成功のポイント
➀しっかりとしたコンセプトの構築
➁立地へのこだわりと徹底した調査
➂必要な資金計画を盛り込んだ事業計画書の作成と有識者からの助言
これから創業を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。オーナーの竹村さんは来年に向けてやりたいことがたくさんあるそうです。今後の益々の発展に期待しています。
川村 要一 <アドバイザー>
販売促進や営業活動支援が得意
製造業や外資系企業、サービス会社、不動産業など色々な会社で、営業支援や商品企画などを行い経験が豊富です。
どんな事業者にも強みがあります。強みを可視化し自社にあった営業スタイルでどう売上を伸ばしていくかを一緒に考えていきましょう。