社労士から見た財務の基礎知識 3
最近毎日のように「働き方改革」がニュースを賑わしています。非正規社員と正規社員の賃金や労働条件の格差をなくして、労働時間を減らして、生産性を向上させることは、非常に重要になっています。しかしながら、企業にとっては毎年最低賃金が上昇し、人員確保も難しく、だからといって受注単価はそれほど上がらず、大変な苦労をしていることと思います。
金融機関は、融資取引がある事業主の財務状況や資金繰り、収益力等を判定して、総合的な判断から債務者を「正常先」「要注意先」「破綻懸念先」「実質破綻先」「破綻先」に区分しています。これを債務者区分といいます。
例えば、「要注意先」であれば、キャッシュフロー不足、営業利益で損失(赤字)計上、繰越損失を有する等が原因になることが多いと思います。金融機関から厳しい判定をされ、融資を申し込んでもなかなか首を縦に振ってくれないなんてことがあると大変です。経営している会社が金融機関からどのように思われているのか、財務状況をどのように改善していけばよいのかも、経営者としては気になるところです。
賃金引上げするにも財源が必要です。人件費の増加や将来の見通しなど、労働者と事業主の要望を聞きながら賃金規程を作成する必要があります。場合によっては融資を受けることにより資金を確保する必要もあるでしょう。自社の財務状況がどのように第三者からみられるかを把握することも、経営者には大切なことです。
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《 加治 直樹 / 特定社会保険労務士 》