『仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン』が公表されました。

仕事をしながら介護に従事する、いわゆるビジネスケアラーの数は2030年時点で約318万人となる予想されています。

中小企業においては従業員の仕事と介護の両立が困難になると1社あたり年間700万円以上の損失につながると試算され、さらには、超高齢社会が進行し、生産年齢人口の減少で人材不足の慢性化が続く中で、中核人材がビジネスケアラーになった場合、企業にとっては死活問題となります。

このようなビジネスケアラー問題は、今後より一層顕在化・深刻化していくことになるでしょう。

このような背景から、経済産業省は仕事と介護の両立支援の意義や進め方などをまとめたガイドラインを公表しました。

このガイドラインでは、「法律に基づく措置を講ずることを前提に」しつつ、全企業が取り組むべき事項としての『3つのステップ』として

  • 両立支援に対し全社的に取り組む意向を示す「経営層のコミットメント」
  • 組織内における影響・リスクを把握する「実態の把握と対応」
  • 従業員個人の将来的なリスクを低減させるプッシュ型の「情報発信」

を挙げています。

こうした「法律に基づく措置」や「全企業が取り組むべき『3つのステップ』」、「企業独自の取り組みの充実」は、外部への発信と対話・接続を通じ、顧客・投資家・従業員家族・将来の従業員候補といったステークホルダーはもちろん、介護資源を提供する地域や企業等との連携によって、「企業価値の向上」と「地域と連携した両立支援体制の構築」の好循環をもたらす全体像の中に位置づけられるとしています。

詳しくは下記をご参照ください。

【経済産業省:「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」について】

https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kaigo/kaigo_guideline.html

《 堅持 博 / 社会保険労務士 》