<事業承継/M&A>決算書で見るべき5つのポイント
「従業員による事業承継」や「小規模事業者間でのM&A」は一般的になっています。そして「買い手や引継ぐ側」は「その会社を買って良いか、引継いで良いか」という点を事前に見定める必要があります。その判断材料の1つになるものが決算書です。今回は、決算書をもらった場合に「まず、どこを見れば良いか」5つに絞って紹介します。
決算書は主に貸借対照表と損益計算書の2つで構成されます。
- 貸借対照表
資産の内容とその原資(借入金なのか?利益の蓄積なのか?)を表す - 損益計算書
経営成績を表す
以下にそれぞれにおいて「見るべきポイント」を記載します。
★貸借対照表★
ポイント①
純資産:今まで儲かってきたか(過去からの儲けの蓄積)を表す
- 純資産の金額がいくらか(売買・承継価格に影響するため)確認!
- マイナス(=債務超過)になっていないか確認!
ポイント②
現預金:資金繰りに余裕があるかを示す
- 月商の1か月分以上あるか確認!
ポイント③
貸付金:会社から誰かに行われている貸付
- 返ってくる見込みがあるかどうか確認(※)!
※勘定科目明細をみれば「どこ宛か」わかる
★損益計算書★
ポイント④
営業利益:本業で儲かっているかどうかを示す
- マイナス(赤字)になっていないか確認!
ポイント⑤
役員報酬:現代表等に支払われている報酬
- いくら支払われているかを確認!
- ④営業利益とともに確認することで、実態的な収益力を確認(※)!
※同じ営業利益1百万円の会社でも役員報酬が10百万円の会社と3百万円の会社では儲ける力が異なる
会社の引継ぎはリスクが伴います。事業引継ぎ支援センターや中小企業診断士・税理士・弁護士等の専門家にも相談しましょう。
《 森川 泰裕 / 中小企業診断士 》