クラウドファンディング「Kickstarter」で始める海外展開
近年、クラウドファンディングは資金調達の枠を超え、「市場調査」「販路開拓」「ブランド構築」の有力な手段として注目されています。なかでも「Kickstarter」は、多くの海外ユーザーに直接リーチできる点で、中小企業にとって大きな可能性を秘めています。
Kickstarterとは
Kickstarterはプロジェクト形式で資金を募り、支援者(バッカー)が商品やサービスの完成前に資金を提供し、リターン(完成品や特典)を受け取る仕組みを提供するクラウドファンディングのプラットフォームです。累計支援総額が約94.1億ドル、月間訪問者数は2,000万人程度と推計され、「Makuake」のような日本のクラウドファンディングプラットフォームと比べて桁違いの規模です。
Kickstarterの特徴
プロジェクトの目標金額に届かなければクラウドファンディングは失敗となり、支援者に全額返金される「All-or-Nothing方式」です。
先行予約販売のかたちで資金が集まるため、自己資金や銀行融資に頼らずに製品化を進められます。製造前にクラウドファンディングを通じて「世界中で本当に売れるか」の需要を測定できます。プラットフォームの利用手数料はプロジェクト成功時のみ発生する仕組みになっていますので、調達に失敗した際のリスクも低く抑えられています。
累計支援額が大きいカテゴリーは「ゲーム (Games)」「デザイン (Design)」「テクノロジー (Technology)」で、プラットフォーム全体の支援額の大半を占めています。ボードゲームやカードゲーム、ビデオゲームIP関連製品、ユニークなデザインの日用品、デジタルガジェットなどです。
Kickstarterでの調達の流れ
- アカウントの開設とプロジェクトページの作成
- 目標金額とリワード(支援へのお返し)の設計
- プラットフォームによる審査
- プロジェクト予告ページ(プレローンチページ)の公開
- プロジェクトの公開とファンディングの開始
- 成否の確定
- 入金
- 製造
- 配送
クラウドファンディング成功のポイント
資金調達と需要確認を先行して行うことができ、プラットフォームに集まる多くの海外ユーザーに直接リーチできるKickstarterは中小企業の海外展開において有効なツールになり得ます。
独自性のある商品アイデア、ストーリー性のある商品をもっているのであれば、Kickstarterのようなクラウドファンディングプラットフォームを利用して、製品化と海外市場での販売を検討してみてはいかがでしょうか。
【注意】
本記事は2026年6月時点の情報に基づいて書かれています。各クラウドファンディングプラットフォームの利用にあたっては必ず最新の情報をご確認ください。
各国の安全基準への適合や認証の取得が必要になる場合があります。販売・流通にあたっては現地の法律・規制を予めご確認ください。
製造者・販売者の責任が厳しい北米やヨーロッパの支援者が多いため、保険などを利用して製品の欠陥等に起因した生産物賠償責任(PL)リスクに備えることをお勧めします。
原材料不足、配送費高騰・関税の変更、戦争等による物流の乱れなど、不安定な世界情勢の影響を受けることがありますので、これら不確実性を考慮する必要があります。
《 高島 慎一郎 /中小企業診断士 》

