不良率改善のやり方

先日あるネジ工場の見学に伺いました。そこで行っていた不良率改善のやり方についてお話しさせていただきます。

①失敗や不良が出たらその日のうちに事実が分かる報告書を失敗した本人が作る。(後になると忘れるため。大体の方は一週間前の昼食は何を食べたか思い出せない。)

その報告書にはその失敗によって会社が負担した費用を報告書に記入する。単価がはっきりわからない場合には1秒1円で換算しているとの事でした。ここでのポイントは失敗に対して決して怒らない、処遇、賞与には反映させないとのことでした。怒ってしまうと失敗の報告自体が上がってこなくなってしまうそうです。

②なぜ失敗や不良が出たか本人以外の人(上司、他部署の管理職)も交え複数人で対策を考える。

③それを改善報告書にして上司、社長に報告する。

④その対策をしっかりやっているか一定期間を空けて上司、社長が確認する。

⑤ちゃんと行っていればOK、できていなければ更に改善策を考えるということでした。

当たり前のことのようですが、なかなかここまでの改善サイクルを回せていないのではないでしょうか。

売上を上げる(単価・数量)、材料を安く仕入れることも利益を稼ぐことには変わりありませんが、廃棄していたものを出さないようにするだけで廃棄費用も下がり利益は出ます。

お伺いした会社が取り組んだ結果、10%あった不良率は1%台に下がったとのことです。また取り組みが定着するまでは3年ほどかかったそうです。

実際に不良率の数字をはっきり把握されている方は私の知る限り中小零細企業ではそれほど多くはない気がします。

最近お会いした社長さんのなかには「従業員さんだけでは、今まで捨てていたものを再度使うという発想にはなかなかならない」と言っている方もいました。

物価高で材料費、燃料費等が上がるなか不良で廃棄するものが減ればそれだけでかなりの利益率の改善になるかと思います。経営者自身が不良率の改善を考えてみてはいかがでしょうか。

《 今橋 英士 / 中小企業診断士 》