従業員のやる気を高めるには!

どの企業でも人手不足が大きな経営課題になってきています。

少子高齢化で採用が難しいなか、従業員のやる気を高め生産性を向上させることが重要になってきています。

それでは、どのようなことを行えば、従業員のやる気は上がるのでしょうか?

このことを研究した学者がいました。ハーズバーグというアメリカの臨床心理学者です。

彼が唱えた二要因理論は、人事制度研究に大きな影響を与えています。

二要因理論とは、仕事に対する満足をもたらす要因(動機付け要因)と不満をもたらす要因(衛生要因)があり、衛生要因の不満を解消しつつ、動機付け要因も満たしていく必要があるという理論です。

動機付け要因は、個人のやりがいを高めていく方向のもので、衛生要因は従業員を取り巻く環境を整備し不満足を取り除いていく方向のものです。

【図1 衛生要因と動機付け要因の施策項目と効果範囲】

 (各施策を行うことで、不満足を表す左側から満足を表す右側に移ります。)

衛生要因に基づく施策は、不満足を解消します。ただ満足度向上という面では大きな効果はありません。
給与改善などの待遇改善でやる気は高まりますが、じきに慣れてしまい持続しないと言われています。

併せて、”認めてあげる(承認)”、”より高度な仕事に挑戦させる(仕事の内容、成長)”など動機付け要因に基づく施策の実施が必要になります。

衛生要因に基づく施策、動機付け要因に基づく施策の両方を組み合わせて行うことで、従業員のやる気が高まり、生産性が向上します。また離職防止にも効果的に働きます。

《 川村要一 / 中小企業診断士 》