経営者が把握しておきたい海外契約のポイント

海外ビジネスを始めるときは、さまざまな契約を結びます。契約書の表現については専門家に相談することをお勧めしますが、経営者として以下のポイントについて把握しておきましょう。人任せにせず、トップとして納得することが大切です。

  1. 「やりたいこと」が盛り込まれているか
    英文で書かれ、独特の表現が使われていることに惑わされず、ご自分の「やりたいこと」が過不足なく盛り込まれていることを把握します。
    契約締結までに合意したことも、契約書に書かれていなければ、なかったことになることにも留意してください。

  2. 変化に対応できるか
    契約後の環境変化に対応できることを把握します。
    為替レートの変動、原材料費・物流費高騰などの環境変化に対し、価格、数量、納期などを合理的に変更できることを確認してください。

  3. 損害が限定されているか
    万一の場合でも、経営を揺るがすような損害を負わないことを把握します。
    債権未回収、不良品発生などの取引上の損害を見積もっておくだけではなく、自然災害、国家間の関係悪化などによる特殊な損害が限定されており、契約書に書かれていない損害賠償責任を負う必要がないことを確認してください。

《 進藤 裕生 / 中小企業診断士 》